【トラブル事例①】個人情報漏洩に関するトラブル

法的トラブルにについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。

事例の内容

<登場人物>

 X ⇒ A社の元社員。A社を退職し、B社に転職。A社の顧客情報を持出し、B社に提供した。

 M ⇒ A社が相談した弁護士

ミネラルウォーターを販売するA社の社員Xは、A社を退職し、健康食品を販売するB社に転職した。その際にA社から約1万人分の顧客情報(個人情報)を勝手に持ち出し、B社に提供した。その顧客情報を基にB社はA社 の顧客に営業を行った。

A社はB社の健康食品の営業を受けた顧客から「個人情報が漏洩しているのではないか」との無数の照会を受けると共に、 個人情報漏洩に関する報道がなされたことを契機として、多数の顧客(約100 名)から損害賠償請求訴訟を起こされるに至った。請求内容は、1 人当たり30 万円の慰謝料請求(総額3,000 万円)であった。

この事態に慌てたA社は、本件に関する訴訟への対応と、X及びB社への法的な対応を弁護士Mに相談した。

訴訟対応と費用

弁護士MはA社の委任を受け次の対応を行った。

1.A社の顧客から起こされた訴訟に対する対応

A社からの委任を受けた弁護士Mは、A社の訴訟代理人として本件の訴訟に対応し、
①A社が個人情報取扱事業者として十分な安全管理措置を講じていたこと
②それにもかかわらず本件の個人情報の持ち出しは、元社員Xの特殊な手口による ものであり、防ぐ余地がなかったこと

上記の理由からA社には過失(注意義務違反)が無かったことの立証に成功し、顧客からの請求をいずれも棄却※1する判決を得た。
【本訴訟に関する弁護士費用:着手金159 万円、報酬金318 万円(いずれも税別)】

※1「棄却」
  → 裁判所が訴えの内容を審理した結果、それを退けること。

2.X及びB社に対する対応

1に加え、弁護士Mは、まずB社に対し、不正競争防止法※2に基づく顧客情報の使用差止めの仮処分を申立て、差止めを認める決定を得た。
【本対応に関する弁護士費用:着手金59 万円、報酬金118 万円(いずれも税別)】

その後、弁護士Mは、X及びB社に対し、調査費、信用棄損料、弁護士費用等(計1,000 万円)に関する損害賠償請求の訴えを起こし、勝訴した。
【本訴訟に関する弁護士費用:着手金59 万円、報酬金118 万円(いずれも税別)】

※2「不正競争防止法」
  →事業者間の公正な競争を確保するため、不正な競争にあたる行為や民事的、刑事的措置を定めている。

個人情報の漏洩は、いつでも起こり得ます。その場合に法的責任を免れるためには、日ごろから十分な秘密管理を行っておく必要があります。

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