【トラブル事例②】 問題社員の解雇に関するトラブル事例

法的トラブルについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第二回は「問題社員の解雇」について。

事例の内容

<登場人物>

  • X ⇒ A社の問題社員。A社の重要顧客であるB社とトラブルを引き起こし、懲戒解雇となった。
  • Y ⇒ Xの弁護士
  • M ⇒ A社が相談した弁護士

A社に勤務する社員Xは、入社以来周囲との協調性に乏しく、職場の和を乱すような振る舞いをしていた。
A社は、社員Xに対し、数年間にわたり注意と指導を継続してきたが、Xは無断で遅刻や早退を繰り返し、顧客とのトラブルも度々起こし、戒告処分(※1)を受けることもあった。それでもA社は、度々Xとの面談を行い、Xの意向を踏まえた配置転換を行う等の方法により、何とかXを職場に馴染ませようと配慮してきた。

しかしながら、こうしたA社の配慮にもかかわらず、Xは上司や同僚に対する不満を口にするばかりで、自らの態度を一向に改めようとはしなかった。そのような最中、Xは、A社の重要顧客であるB社との間でトラブルを起こし、それがためにA社はB社との取引を失うことになった。このような事態を受け、いよいよA社はXをかばうことができなくなり、Xを懲戒解雇することにした。

A社がXを懲戒解雇した数ヵ月後、突然Xの代理人を名乗る弁護士YからA社に対し懲戒解雇の無効とXの復職を求める内容証明郵便が届いた。A社はこれに対する対応を弁護士Mに相談した。弁護士Mとの協議中に、Xの代理人(弁護士Y)から訴訟が提起された。

  • 訴訟の内容は、
  • 懲戒解雇は無効。それゆえXが現在でもA社の従業員としての地位を有することの確認を求める。
  • 懲戒解雇時以降の未払賃金(月額30 万円×6ヶ月分=180 万円)の支払いを求める。
  • 違法な懲戒解雇により受けた精神的苦痛に対する慰謝料として300 万円の支払いを求める。
  • というものであった。

A社は弁護士Mにこの訴訟への対応について協議した。

※1 「戒告処分」→無断欠勤、遅刻、素行不良等職務遂行上の問題行動があったり、法律に抵触する行為を行ったときにその行為を戒める、比較的軽度な懲戒処分の一種。

訴訟対応と費用

弁護士MはA社の委任を受け次の対応を行った。

  • A社から依頼を受けた弁護士Mは、Xとの訴訟において、
  • Xが入社以来、数々のトラブルを起こしてきたこと。
  • A社は、トラブルの都度Xに注意や指導(戒告処分を含む)を繰り返してきたこと。
  • A社はXの意向を踏まえた配置転換を行うといった配慮を行ってきたこと。
  • それにもかかわらずXは自らの態度を改めようとせず、最終的にA社の重要顧客で
    あるB社とトラブルを起こし、それによりA社はB社との取引を失う結果となったこと。

等の一連の事実の立証に成功し、Xの請求をいずれも棄却する旨の判決を得た。

【本訴訟に関する弁護士費用: 着手金30 万円、報酬金60 万円(いずれも税別)】

問題社員によるトラブルは、ほぼ全ての会社でご経験があると思います。
日ごろから丁寧な対応を継続していることが、結果的に会社の責任の最小化につながります。

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