【トラブル事例③】 従業員による横領に関するトラブル事例

法的トラブルにについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第三回は「従業員による横領に関するトラブル事例」について。

事例の内容

<登場人物>

  • X ⇒ A社の営業担当部長
  • Y ⇒ A社の経理担当者
  • M ⇒ A社が相談した弁護士

出版・印刷業者であるA社は、広告用のチラシ、パンフレットその他印刷物を取り扱っていた。
A社の営業担当部長であるXは、A社の顧客で営業担当先のB社及びC社に対して、「営業担当部長」の地位を利用し、B社及びC社から発注される広告物印刷の金額を、A社の社内基準を大幅に下回る金額で受注することを約した上で、Xに対するリベートの支払いを要求した。B社及びC社はこれを受け入れた。

印刷業界が不況の中、B社及びC社からの受注が急激に伸びていることを疑問に思ったA社経理担当のYが調べたところ、両社からの発注及び受注が不当に安価に行われていることが判明した。

具体的には、本来B社に対しては総額 5,000 万円以上で受注しなければならないところを、総額 3,000 万円で受注しており、またC社に対しては総額 4,000 万円以上で受注しなければならないところを総額 2,500 万円で受注し、残額(合計 3,500 万円)をXがリベートとして受領していたことが発覚した。

A社が営業担当部長Xに対して取るべき対応について、弁護士Mに相談した。

訴訟対応と費用

A社は、弁護士Mに本件の対応を相談し、Xを懲戒解雇すると共に、同人に対し上記 3,500 万円の損害賠償請求を行うこととした。

A社は、訴訟には勝訴したが、X(被告)が上記 3,500 万円の半分以上を遊興費に費やしていたため、一度に回収できた金額は 1,500 万円であった。そのため、残額は月額 15 万円ずつ支払いを受けることとなった。

【本訴訟に関する弁護士費用:着手金 150 万円、報酬金 180 万円(いずれも税別)】

また、弁護士Mは、Xを業務上横領容疑で刑事告訴した。

【本告訴に関する弁護士費用: 手数料 50 万円(税別)】

従業員による横領事案も、弁護士は度々経験します。日ごろから複数人によるチェック体制を確立する等の措置を講じておくことが、事前防止・早期発見に役立ちます。

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