【トラブル事例⑤】 社内のパワーハラスメントに関するトラブル事例 | エール少額短期保険株式会社

【トラブル事例⑤】 社内のパワーハラスメントに関するトラブル事例

法的トラブルについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第五回は「社内のパワーハラスメント」について。

事例の内容

<登場人物>

A社

  • X⇒A社の営業担当者 A社とYを相手どって訴訟を提起
  • Y⇒Xの直属の上司
  • Z⇒X及びYの上司
  • M⇒A社が相談した弁護士

※A社とYが利益相反の関係にあるためYの弁護士は、Mとは別の弁護士が担当。
Yは個人で弁護士Nに委任し、全費用を負担した。

※A社が委任した弁護士Mは、A社の利益と相反する関係にあるYを代理することができない。
(A社は、Yに対して懲戒解雇や損害の一部賠償を求める関係にある)

A社の営業担当者Xは、営業成績がなかなか上がらないことについて、上司Yより、「お前のせいで俺の評価もメチャクチャだ。お前なんか辞めてしまえ。」といった激しい叱責を度々受けていた。Yの言動は、時には「お前なんか生きている価値がない。その窓から飛び降りろ。」といった表現にまで及んでいた。Xは、後日、「うつ状態1ヶ月の自宅療養を要す」と記された診断書をA社あてに郵送し、休業に入ることを通知するとともに、労災保険の給付申請を行うべく、申請書を送付してきた。

A社は、とりあえず就業規則の定めに従いXに休職を命じたが、労災保険給付に協力すべきか分からず、また、今後、Xからどのような請求を受ける可能性があるのか全く予想できないので、対応について弁護士Mに相談することにした。

その一方で、Xの体調は一向に回復しなかった為、A社は就業規則の定めに従い、Xに対して休職期間(1年6ヶ月)の満了による退職を告げた。その後しばらくして、

1.XからA社に対して

  • ①A社従業員としての地位の確認
  • ②休んでいた期間中の賃金、治療費・通院費、慰謝料及び弁護士費用に係る損害の合計1,000万円の支払いを求める訴訟が提起され、また

2.Xから上司Yに対しては、上記1②の支払いを求める訴訟が提起された。

A社は、Xから起こされた訴訟対策について弁護士Mと協議した。

訴訟対応と費用

A社から相談を受けた弁護士Mは、A社と共に直ちに事実関係の調査を行うと共に、労働基準監督署に対する回答方法等の指導を行った。

【本対応に関する弁護士費用:手数料30 万円(税別)】

また、弁護士Mは、上記の訴訟についてA社を代理して訴訟を遂行し、

  • ①Xに営業成績を上げようと努力する姿勢がなく、Yに反抗的な態度を取ることも度々あったこと、
  • ②Yの言動は確かに度を過ぎたものではあったが、Yの上司であるZは度々Yの言動について注意を行っており、A社としてYの言動を完全に放置していたわけではなかったこと等を主張・立証した。

上記の結果、
1.Xから起こされた訴訟に対する対応

  • ①A社がXに対して700 万円を支払うこと
  • ②和解締結日をもってXがA社を退職することを内容とする和解が成立した。

【本訴訟に関する弁護士費用:着手金50 万円(税別)、報酬金40 万円(税別)】

2.Yに対する対応
1以外に、A社は弁護士Mの指導の下に、YがZから度々注意を受けていたにも拘わらず、Xに対する人格否定的な言動を繰り返していたことを理由として、

  • ①Yを懲戒解雇とする。
  • ②XにA社が支払う700 万円の一部である300 万円をYがA社に支払う旨の合意書を公正証書によって締結した。

【本対応に関する弁護士費用:手数料30 万円(税別)】

残念ながら、パワーハラスメントはまだまだ日本社会に広く蔓延しているのが実態ではないかと思われます。「働き方改革」によって社員の生活に余裕が生まれ、パワーハラスメントの件数が減っていくことを期待しています。

>>コラム一覧に戻る

PAGETOP