【トラブル事例⑥】 システム開発に関するトラブル事例 | エール少額短期保険株式会社

【トラブル事例⑥】 システム開発に関するトラブル事例

法的トラブルについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第六回は「システム開発」について。

事例の内容

<登場人物>

  • A社⇒システム開発業者。B社から顧客管理システムの開発を受注
  • B社⇒顧客管理システムの開発をA社に発注
  • M ⇒A社が相談した弁護士

システム開発業者A社は、B社より顧客管理システムの開発を依頼され、代金2,000万円で請負契約を締結した。A社は、B社に対し、指定された納期にシステムを納入したが、その後B社から、「自社が依頼していた内容と違う、想定どおり動作しない」等、種々のクレームを受け、代金の支払いを拒否された。

この事態に驚いたA社は、B社に詳細な説明を求めたところ、

  • ① そもそもB社の発注条件は、明らかに当初の納期に間に合うものではなかったこと
  • ② 条件どおり履行する場合は、B社から追加料金をもらわなければ、赤字になること

が明らかであったことが判明。

さらに、このような双方の認識の相違が生じた原因は、契約締結前の段階で、

  • ① B社の担当者がA社の担当者に明確に自社の要望を伝えてなかったこと
  • ② A社の担当者も疑問点に関する確認を行っていなかったこと

であったことが判明した。

B社が請負代金を一銭も支払わないことに業を煮やしたA社は、弁護士Mに本件の対応について依頼した。

訴訟対応と費用

A社の依頼を受けた弁護士Mは、しばらくは粘り強くB社と交渉を行ったが、B社が支払いに応じる姿勢を全く見せなかったため、B社に対し請負代金2,000万円の支払いを求める訴えを起こした。
裁判は、数ヵ月間にわたり、当事者であるA社及びB社双方が、本件の作業過程に関する詳細な主張と証拠を挙げて事実関係の立証を行った。

上記の結果、裁判官からの勧めにより、概ね次のような内容で和解が成立した。

  • 1.B社は、A社に対し、これまでのA社の作業に対する報酬として1,200万円を支払う。
  • 2.A社は、B社の要望を踏まえた追加の作業を、和解成立後3ヶ月以内に行う。
  • 3.B社は、A社が2の作業を完了した後1ヵ月以内に、追加で1,200万円を支払う。
  • 4.当事者であるA社とB社は、相互に相手方に対する誹謗中傷を行わない。
  • 5.当事者双方は、本件の経緯、裁判の存在及び和解内容を相互に公開しない。

【本件に関する弁護士費用:着手金100万円、報酬金240万円(いずれも税別)】

弁護士は、システム開発契約にまつわるトラブルにも多く遭遇します。要件定義、基本設計、仕様変更等の各段階ごとに両当事者間で十分な認識のすり合わせを行い、かつ、その過程を仕様書や議事録等の形で記録化しておくことが、紛争の予防につながります。ちょっとしたメールのやり取りが、十分な証拠価値を持つこともあります。

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