【トラブル事例⑦】 メーカーと下請業者との間のトラブル事例 | エール少額短期保険株式会社

【トラブル事例⑦】 メーカーと下請業者との間のトラブル事例

法的トラブルについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第七回は「メーカーと下請業者との間のトラブル」について。

事例の内容

<登場人物>

  • A社⇒自動車部品製造業者。B社の注文を受け、継続的に製品をB社に納入
  • B社⇒自動車メ-カ-。部品をA社に発注
  • C社⇒下請業者。A社からB社に納入する製品の加工を受託
  • M ⇒A社が対応を依頼した弁護士

自動車部品製造業者であるA社は、自動車メーカーであるB社より注文を受け、継続的に製品をB社に納入していた。A社は、この製品の製造過程の一部において、下請業者C社に加工を委託していた。

両社の取引関係は良好に続いていたが、今般、A社は、B社から、20XY年1月から3月までに納入された製品の一部に欠陥があったとして、B社から原因究明、代品の納入及び不良品の回収を求められた。A社が調査を行ったところ、C社による加工部分に欠陥があることが判明した。その原因は、C社が加工用機械のメンテナンスを十分に行っていないことにあるという報告であった。この調査には、約1ヶ月半の時間を要し、調査費用として250万円かかった。

また、A社がB社の求めに応じて「代品の納入」と「不良品の回収を行った」ことにより、A社には4,500万円の損害が生じた。

A社は、これらの損害賠償をC社に求めるため、弁護士Mに対応を依頼した。

訴訟対応と費用

A社の依頼を受けた弁護士Mは、しばらくC社と交渉を行っていたものの、C社が「自社には過失がない。A社の調査結果には誤りがある」として、C社が独自に行った調査結果を提出してきたため、交渉による解決を断念し、C社に対して4,750万円の損害賠償を求める訴えを起こした。

裁判は約1年にわたり、A社とB社の当事者双方がそれぞれの調査結果に関する証拠(追加調査に関するものを含む)を提出した。その結果、裁判官は、本件の製品の欠陥の原因は、C社による機械のメンテナンス不全に加え、A社が行った追加施工時のミスが重なったことにあるという心証を形成※し、概ね次のような内容での和解を勧告した。(※心証の形成⇒裁判官が証拠の評価を通じて事実を認識すること)

  • 1.C社は、A社が「代品納入・不良品回収を行った」ことにより被った4,500万円 の損害のうち2,500万円を負担する。
  • 2.調査費用は、各自の負担とする。
  • 3.A社及びC社の当事者双方は、本件の経緯、本件の裁判の存在及び和解内容を 相互に公開しない。

A社及びC社は、いずれもこの和解勧告には若干不満があったが、紛争の早期解決を優先して、和解に応じることにした。

【本件に関する弁護士費用: 着手金は200万円、報酬金は250万円 (いずれも税別)】

メーカーと下請業者のトラブルも、弁護士は実務上多く取り扱います。メーカーとしては、自己の優越的地位を利用して下請業者に対し、自己に有利な取引条件の押し付け等の行為を行いがちですが、その場合、独占禁止法や下請法上の問題が生じることもあるため、注意が必要です。

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