【トラブル事例⑧】 不動産賃貸借に関するトラブル事例 | エール少額短期保険株式会社

【トラブル事例⑧】 不動産賃貸借に関するトラブル事例

法的トラブルについて、よくある事例を取り上げて、訴訟対応と費用についてご紹介します。
第八回は「不動産賃貸借に関するトラブル」について。

事例の内容

<登場人物>

  • A社⇒飲食店事業を営む。B社所有のビルの1階を賃借
  • M ⇒A社が相談した弁護士
  • B社⇒不動産賃貸事業を営む。B社所有のビルの1階をA社に賃貸
  • N ⇒B社が相談した弁護士

飲食店事業を営むA社は、駅前の一等地に所在するB社所有のビルの1階を賃借していた。賃料は月額35万円、契約期間は2年間であった。この店舗は、立地の良さが大きく影響し、開業後約7年間にわたり黒字経営を続けてきた。A社は、B社への賃料の支払いを1度も滞納したことがなかったため、翌年に控えた4回目の更新も当然に行われるものと考えていた。

ところがA社は,突然B社から建物賃貸借契約の更新を拒絶する旨の通知を受け取った。その通知によれば、B社がA社に賃貸している建物は老朽化が進んでいるため、現在の賃借人にそれぞれ立ち退きを求め、全賃借人の退去後に新たなビルを再建築するとのことであった。

このような通知は、A社にとっては晴天の霹靂であり、B社から賃借している店舗以外の店舗の収支がかなり厳しい状況にあるA社にとって、稼ぎ頭である店舗を失うことは大きな痛手であった。

そこでA社は、このような突然の立退き要請に応じなければならないのか否かについて、弁護士Mに相談することにした。A社の相談を受けた弁護士Mは、この後のB社との交渉を引き受けた。程なくしてB社側も弁護士Nに相談し、弁護士間による交渉が行われることになった。

訴訟対応と費用

MとNはしばらく交渉を続けていたが、最後まで妥協点を見出すことができず、交渉は決裂した。

その後、Nによって、本件建物の明渡しを求める訴訟が提起された。Nは、

  • ①本件建物が築45年を経過し、直近行われた耐震基準に関する検査でも現状では強度が不十分である旨の指摘を受けたこと、
  • ②本件建物を取り壊し、新たな建物を再建築すれば、B社の賃料収入が25%程度増額することが見込めること等を主張した。

これに対し、Mは、

  • ①A社の経営にとって本件建物の使用が事実上不可欠であること、
  • ②A社がこれまで1度も賃料の支払いを怠っていないこと、
  • ③周辺の店舗等からのクレーム等も全く発生していないこと等を主張し、応戦した。

上述のような主張書面※の応酬がしばらく続いた後、最終的には裁判所からの強い勧めにより、B社がA社に対し、立退料として1,200万円を支払うことを条件として、A社が本件建物を明け渡すことで和解が成立した。(※主張書面⇒訴訟に関し、当事者の一方が自己が求める判決を得る為に、自己の主張や言い分などをまとめた書類 )

【本対応に関する弁護士Mの弁護士費用:着手金70万円(税別。裁判前の交渉段階の着手金30万円を含む。)報酬金135万円(税別)】

不動産の賃貸借契約は、対象不動産が賃借人の生活や事業の基盤になっている一方で、賃貸人側も容易に妥協できない事案が多いため、一旦紛争化すると解決が難しくなるトラブル類型の1つです。当事者間の交渉では埒が明かない事案も散見されますので、早期に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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