近年急増する 悪質クレーマー! 働き手や企業をどう守るのか? | エール少額短期保険株式会社

近年急増する 悪質クレーマー! 働き手や企業をどう守るのか?

近年、理不尽なクレームやわがままな要求をするクレーマーによるハラスメント「カスタマーハラスメント」が増加しています。UAゼンセンが2017年11月に公表したアンケート調査では、業務中に来店客からの迷惑行為に遭遇したことがあるとの回答が全体の約73.9%に及び、またこういった迷惑行為が増えていると感じるとの回答は全体の約49.9%に上っています。最近では、脅迫まがいの言動を繰り返すクレーマーも出てきているため、カスタマーハラスメントを受けた人たちの中には、トラウマになってしまい仕事に行けなくなったり、心身を病んでしまう人もいます。

急増する「カスタマーハラスメント」から働き手や企業をどう守ればいいのでしょうか。

そもそも不当要求とは?

まず消費者からの不当要求には、要求「内容」が不当なケース要求「方法」が不当なケースの2種類あります。

要求「内容」が不当なケースとは、高額な慰謝料請求土下座の要求など、過大な要求、義務のない要求がこれに該当します。要求方法が不当なケースとは、脅迫的、暴力的言動や店頭や会社への長時間の居座りなど、恐喝や威嚇を伴う方法がこれに該当します。

クレーム対応の基本

クレーム対応の基本は、組織的に対応すること、そしてクレーム対応プロセスを意識することです。

証拠化、記録化の重要性

組織的対応のためには、情報の共有が不可欠であり、対応記録等を残して共有するということが重要になります。また、法的措置(民事、刑事)においては、証拠が不可欠となりますので、対応記録に加えて、録音録画も残すべきでしょう。

ただ、録音録画で気になるのは、秘密録音・秘密録画は許されるのかということ。録音・録画していることを相手に伝える必要はあるのでしょうか…

結論として、録音・録画の目的が証拠保全の場合、録音・録画していることを相手に伝える必要はありません。何故なら、秘密録音であっても証拠能力はあるからです。

ケースごとの不当要求への対応

謝罪を要求された場合の対応

・法的責任を認めない謝罪の仕方をする

・例えば、
「お手数をお掛けして、申し訳ありません」
「お時間を頂いており、すみません」
「ご気分を害されたのであれば、申し訳ございません」

念書等を要求された場合の対応

念書や謝罪文は安易に作成すべきでない。

①裁判所の書面主義

②インターネットでの拡散リスク

・何かのせいにしてでも避けるべき

「弁護士に言われている」「規則でそうなっている」

長時間居座られた場合の対応

・事前に面談時間を限定しておく。

→「お時間がまいりましたのでお引き取り下さい」

・面談時間を記録化し、警察や弁護士へ連絡する。

→不退去罪、業務妨害罪になりうる。

○○するぞと言われた場合の対応

・例えば

①東京都や監督官庁に公表するぞ

②インターネットに公開するぞ

・動じず、毅然とした対応をとるべきお客様のご判断に対し、申し上げられる立場ではありません」「違法な手段については然るべき措置を取らせて頂きます」

最後に

クレームは企業のミスから始まることが多く、悪質クレーマーはミスを隠そうとする社員の心理を巧妙に突いてきます。しかし、どんな堅実な企業でもどんな優秀な社員でも、ミスは必ず発生するものであり、ミスがない企業や社員は存在しません。だからこそ、ミスが発生した場合の処理手順を予め決めておくべきなのです。

この記事の監修者

弁護士 香川 希理(かがわきり)

香川総合法律事務所代表弁護士。
マンション管理士・管理業務主任者等の資格を保有。
主な取扱分野は不動産関係、コンプライアンス関係(反社会的勢力対応、不当要求対応等)。
著書に「企業による暴力団排除の実践(商事法務)」、「民事介入暴力対策マニュアル第5版(ぎょうせい)」。

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