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【事業者向け】対策必須!会社がネット炎上に巻き込まれたらどうすればいい?

【事業者向け】対策必須!会社がネット炎上に巻き込まれたらどうすればいい?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出を控えている人も多いでしょう。こうした状況は人々の行動にも影響を与えています。

2020年4月にアライドアーキテクツが行った調査によると、34.5%の人が「情報収集の手段としてSNSを利用する時間が増えた」という調査結果が出ています。こうしたユーザー側のSNSの利用時間増を活かして、ネットを集客に利用しようと考えている企業も少なくはないでしょう。しかし、企業のネット活用には注意しないといけない点もあります。

それは「ネット炎上」です。この記事では、ネット炎上の概要や巻き込まれたときの対応方法について考察していきます。

ネット炎上が増えている理由

ネット炎上とは、ある人物や企業を対象にネット上で誹謗中傷が押し寄せる状態のことを指します。ネット炎上が、増えている理由とは何でしょうか。さまざまな理由があるとは思われますが、代表的な理由はSNSで目についた情報を気軽に拡散できるようになったことではないかといわれています。また、炎上だけでなくSNSで最近起こった話題は、他のサイトやテレビ番組などで取り上げられることも少なくありません。

そのため、SNSを見ていなかった人にも話題が伝わり、さらに炎上が広がるパターンもあります。はじめは小さな不祥事・不適切発言だったものを、誰かが見つけ発言することで拡散されるのです。それが繰り返された結果、思いがけないほど大きな事態に陥るのが、ネット炎上の広がる仕組みだといえるでしょう。

どのような炎上が起こっているのか?

では、過去に企業公式もしくは従業員関連のSNSが原因でどのような炎上が起こったのか、具体的な例を見てみましょう。

・不注意発言からの炎上

アミューズメントパークの公式SNSアカウントが8月9日(長崎原爆投下の日)に「何でもない日おめでとう」という発言を公開。悪気のない不注意発言だったがフォロワーだけでなく拡散された発言を見た人まで不快にさせたとして炎上した。同パークは投稿から6時間後に発言を削除。同時にTwitter上で謝罪も行った。

・経営者の発言による炎上

「某衣料品通販会社の送料が高い」とSNS上で発言したユーザーに対し経営者自らが反論したことで炎上。その後、企業側は通販の送料を無料にしておわびをした。

・従業員の発言による炎上

不動産会社の従業員が物件を探しに来た有名人のことをSNSで発言。実名など個人情報を公開した発言だったため、プライバシー侵害だとして炎上し、従業員の本名や勤務先まで特定される騒ぎとなった。

・従業員の家族の発言による炎上

銀行の従業員の家族が「母親(従業員)からある芸能人の情報を教えてもらった」と来店した芸能人の実名を挙げて発言。この発言を見た人たちから「個人情報の公開にあたるのではないか」と指摘を受け炎上。銀行は正式に文書で謝罪した。

これらの事例を見ると炎上は企業の公式SNSだけでなく、従業員、さらにはその家族が原因で起こる恐れがあることが分かります。こうした炎上を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

炎上トラブルの上手な対応方法

炎上を防ぐため、ネット利用に対してのポリシーや注意事項を従業員に示している企業は多くあるでしょう。また、企業の公式SNSでも話題にしないことを定め周知徹底しているところもあるはずです。さらに最近では、24時間口コミやSNS投稿を監視しリスクのある投稿や風評被害につながりそうな投稿があれば、報告してくれるセキュリティーサービスも誕生しています。

このようなサービスを利用し、炎上が起きないうちに対処するようにしている企業もあるかもしれません。しかし、ネット炎上は100%防げるものではありません。思わぬところから発生する可能性もあるため、起こったときはどうすればいいのかも事前に考えておく必要があります。

悪意を伴った炎上に巻き込まれてしまえば、企業の信用を大きく損なう可能性もあります。そのままにして炎上が鎮火するのを待つ方法もありますが、さらに発言が広まり取引や売上に影響する可能性を考えると、早めの対応が肝要です。また、SNSの運営者に連絡し発言の削除依頼をする対応方法もありますが、削除はすぐにしてもらえるとは限りません。さらに元の発言を削除しても拡散したものまでは止めることは、できない点は注意が必要です。

そこでおすすめしたいのが法的な対応です。悪質かつしつこい発言等により権利が侵害されたことが明らかなときは、SNSの運営元に「発信者情報開示請求」を行います。発信者が分かれば法的対応として、刑事的には名誉棄損罪、業務妨害罪等により刑事告訴を行い、民事的には発信者に損害賠償請求を行うことが可能となる場合があります。ただこれらの対応を通常業務を行いながら企業だけで行うのは非常に困難です。そこで頼りたいのが弁護士です。

日ごろから炎上リスクに備えておこう

「弁護士に頼る」というと、費用のことを考えてためらってしまう経営者もいるでしょう。そうした場合は、弁護士費用を補償する保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。現状は問題なかったとしても、将来ネット炎上だけでなくクレームや料金未払いなどのトラブルに見舞われるかもしれません。その際にも、弁護士のアドバイスは非常に役に立つはずです。

弁護士費用を補償する保険で炎上などのトラブルに備えることで業務に集中できる環境を作ることが期待できるでしょう。

監修弁護士

湊 信明 弁護士

弁護士

湊総合法律事務所 所長弁護士
東京弁護士会所属

主な経歴
1987年 中央大学法学部法律学科卒業
2003年 湊総合法律事務所開設
2013年 東京弁護士会 弁護士業務妨害対策特別委員会委員長
2015年 東京弁護士会 副会長
     関東弁護士会連合会 常務理事
2017年 東京弁護士会 中小企業法律支援センター本部長代行
2020年 日本弁護士連合会 弁護士業務妨害対策委員会委員長
2021年 東京弁護士会 中小企業法律支援センター SDGs プロジェクトチーム座長

主な著書
勝利する企業法務~実践的弁護士活用法(第一法規)
伸びる中堅・中小企業のためのCSR活用法(第一法規)
事例で学ぶ 生前贈与の法務リスクと税務リスク(大蔵財務協会)
従業員をめぐる転職・退職トラブルの法務(中央経済社)
成功へと導く ヒューマンライツ経営(日本経済新聞)

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