少額短期保険とは Small amount short-term insurance

少額短期保険とは
〜保険会社との違いや商品の制限について

「少額短期保険会社」とは他の保険会社と何が違うのかをご紹介します。

少額短期保険会社と保険会社の違いは?

少額短期保険会社と保険会社の大きな違いとしては事業許可の形態や取扱商品の制限といった項目が挙げられます。
「ミニ保険」と呼ばれる少額短期保険は、少額(保険金額1,000万円以下)で短期(保険期間2年以下)の保険契約に限って取扱うことができるのに対し、保険会社にはそうした制限がありません。また、少額短期保険会社には、契約者保護機構による契約者救済措置がない代わりに、経営破たん時の必要資金に充てるため、事業規模に応じて定められた供託金を国に預けることが義務付けられています。

相違項目 少額短期保険会社 保険会社
事業許可の形態 登録制(財務局) 免許制(金融庁)
資本金 1,000万円以上 10億円以上
収受保険料の制限 50億円以下 なし
保険商品種類の制限 なし(生損保兼営が可) なし(生損保兼営が不可)
保険期間や金額の制限 あり なし
保険契約者保護機構 対象外(供託金1,000万円が必要) 対象

保険の販売に関する制限

取扱える保険の種類

少額短期保険会社は生損保兼営が可能であるため、人の死亡や重度障害に対して保険金が受け取れる生命保険、住宅火災や自動車事故に備える損害保険、がんや介護といった障害疾病定額保険など、幅広い保険商品を取り扱うことができます。

引受ができない保険の条件

少額短期保険会社では次の保険を引き受けることはできません。

  • 人の生存に関し、一定額の保険金を支払うことを約する保険(個人年金保険、貯蓄保険など)
  • 保険期間の満了後満期返れい金を支払うことを約する保険(積立型の保険など)
  • 保険料を主として株式や債券などの有価証券に投資し、その運用実績に応じて保険金額が変動する保険―運用実績連動型保険契約(変額保険など)
  • 再保険
  • 保険料または保険金、返れい金その他の給付金の額が外国通貨をもって表⺬されている保険 (外貨建て保険など)
  • 保険金の全部または一部を定期的に、または分割払いの方法により支払う保険であって、その支払いの期間が1年を超えるもの

保険金額や保険期間の制限

保険金額

少額短期保険会社では、以下の通り保険区分ごとで1被保険者の保険金額に制限が設けられています。
なお、①~⑥の合計額は1,000万円が上限となります。

保険区分 保険金額の上限
① 死亡保険(下記⑤を除きます) 300万円
② 傷害疾病保険(下記③④を除きます) 80万円
③ 重度障害保険(下記④を除きます) 300万円
④ 特定重度障害保険(傷害による重度障害保険) 600万円
⑤ 傷害死亡保険 (調整規定付傷害死亡保険の場合は、600万円) 300万円
⑥ 損害保険(下記⑦を除きます) 1,000万円
⑦ 低発生率保険 1,000万円

保険期間

少額短期保険会社では、各保険区分で保険期間に上限が設けられています。

保険区分 保険期間
① 生命保険、傷害疾病保険(第三分野の保険) 1年
② 損害保険 2年