弁護士保険コラム Column

弁護士の仕事内容

弁護士の仕事内容

ほとんどの方が弁護士を利用したことがなく、「弁護士は何をしてくれるの?」「弁護士に依頼すると何が良いの?」といった疑問を持たれているかと思います。この記事では、普段弁護士と関わる機会がなく、何をしてくれるの分からない方に対し、実際の仕事内容や依頼するメリットについてご紹介します。

弁護士の仕事内容や依頼するメリット

何となく弁護士に相談した方が良いとは思っても、実際に何をしてくれるかよくわからない方もいるのではないでしょうか。以下は弁護士を利用するメリットを簡単にまとめたものです。またこの章では、弁護士がしてくれることを実際の業務内容に沿ってご紹介します。

  1. 法律相談によって解決までの道筋を示してくれます。
  2. 法令や判例を調査して、法的手続きに必要な書面を作成してくれます。
  3. 本人に代わって示談交渉を行ってくれます。
  4. 裁判所などでの法的手続きの代理人を務めてくれます。
  5. 判決や和解の結果を履行するために、強制執行手続きの申し立てをしてくれます。

法律相談を受けてくれる

法律相談をするだけで、7割の事案は解決の糸口が見つかったり、逆に見通しが厳しいということがわかって進めることを断念したりすると言われています。法律相談を実施後に、弁護士が事案処理の依頼を受ける割合は一般に3割程度です。このように、法律相談はトラブル解決の道のりにおいて、とても重要なものです。

法律相談によって得られる主なメリットには、次のようなものがあります。

  1. 現状の問題点が整理され、トラブル解決のヒントがつかめます。
  2. 自分の主張は法的には認められるのか、相手方の主張をどこまで聞き入れなければならないのかなどの疑問に、法律の専門家としてのアドバイスを受けられます。
  3. 自分の力だけで解決できそうか否か、見通しが立ちます。
  4. 解決に要するおおよその費用がわかります。

法律相談を受けるときは、必要な相談時間を確保し、契約書、メモ、写真や図面、相手方からの文書など、関係のありそうな資料をできるだけ用意して臨むことが重要です。また、事案のあらましや、いきさつなどを時系列にしたがって整理したものを用意すると、弁護士が事案の概要を理解しやすくなって、法律相談がスムーズに進むばかりでなく、法律的に、自分の主張がどの程度認められるものなのかなどの見通しを立ててもらいやすくなります。

代理人として示談交渉をしてくれる

弁護士には調停や訴訟ばかりでなく、示談交渉を依頼することができます。トラブルの相手と示談交渉を行うことは、精神的にとても負担なもの。自分で示談交渉を行おうとしても、相手方が不誠実な対応をしたり、理不尽な主張を繰り返すことも考えられます。弁護士なら依頼者に有利な形で正当な権利主張をしてくれるばかりでなく、示談に応じなければ相手方も裁判になることも覚悟しないといけないので、安易に不誠実な対応はとれないものです。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、相手方とやり取りする負担が軽減されるばかりでなく、専門的な知識や経験を生かして、有利な条件を引き出してくれることを期待できます。自分で示談交渉を行って、不利な結末を後悔するより、弁護士に任せることが得策だといえます。

訴訟・調停など裁判上の手続きを実施してくれる

民事訴訟は、訴えを起こす側(原告)と訴えられた側(被告)が、法廷でお互いに証拠を出し合って事実上・法律上の問題を争い、裁判所がその判定を行うものです。一般的な民事訴訟においては、弁護士は原告または被告から依頼を受けて、代理人として各種書類の作成や法廷での主張・立証活動をしたり、和解などの場では弁護士が相手方との交渉を行います。

具体的には、弁護士は、依頼者の話と証拠を吟味し、裁判で認められやすい主張を組み立てることで、依頼者に有利な判決を得られるよう活動します。また、相手方の主張や証拠、裁判官の言動などから、裁判の流れを読んで、依頼者側の主張を修正したり新たな証拠を探したり、場合によっては裁判の落としどころを判断して和解を進めるという役割を担うこともあります。

個人情報を守る弁護士の守秘義務

弁護士に相談する場合、個人のプライベートな情報を打ち明ける必要があるため、依頼者としては個人情報がどのように取り扱われるか気になるかと思います。この章では、弁護士が業務上で取得した個人情報の取り扱いに関する守秘義務についてご案内します。

弁護士の守秘義務とは

弁護士は依頼者から知り得た情報を他者に口外したり、業務のために利用することが禁止されています。これを弁護士の守秘義務といい、具体的には以下のような法律で定められています。

弁護士又は弁護士であった者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合には、この限りではない。

弁護士法第23条

弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。

弁護士職務基本規程第23条

守秘義務は弁護士がその職についている間だけでなく、弁護士を辞めた後でも一生涯続いて効力があります。依頼者が安心して弁護士にプライベートな情報を話せるのは、守秘義務で個人情報が守られているからです。

守秘義務が課せられないケース

依頼者の個人情報を保護する守秘義務ですが、場合によっては守秘義務が課せられないケースもあります。それに関して弁護士法第23条では、「ただし、法律に別段の定めがある場合には、この限りではない。」とあり、弁護士職務基本規定第23条では、「正当な理由なく」と記されています。

例えば、依頼者からの承諾があった場合や、弁護士自身の名誉が損なわれかねない事態(弁護士が争いの当事者になる等)が発生した場合などが該当します。

弁護士が守秘義務に違反した場合

守秘義務を定める2つの法(弁護士法第23条と弁護士職務基本規程第23条)に違反した場合の直接的な罰則は規定されていません。ただ、守秘義務に違反したことで依頼者の権利や利益が侵害された場合、民事や刑事での罰則だけでなく、弁護士会から懲戒処分とされるケースもあります。

弁護士と各士業の関係

弁護士以外の士業においても、一部の法的業務を実施できるケースがあります。この章では、弁護士とよく比較される各仕業との違いについてご案内します。

弁護士と司法書士の違い

弁護士と司法書士で取り扱える業務が重複する部分もありますが、基本的には弁護士業務の一部を司法書士が実施できるイメージとなります。大きな違いとしては、法的トラブルの解決に向けたアドバイスや代理人としての交渉が基本業務となる弁護士に対し、会社や不動産の登記に関する手続きを主な業務とするのが司法書士です。また、債務整理における個人の債権額が140万円を超える案件は弁護士のみが対応可能です。ただ、認定司法書士であれば140万円以下の債務整理に関する業務を引き受けることが可能です。

弁護士と公認会計士の違い

両者は根本的に対応する分野が異なり、弁護士は法律面、公認会計士は財務面でのプロフェッショナルになります。クライアントからの法的案件を取り扱う弁護士に対し、公認会計士は会計処理の監査や会計上のアドバイスを実施します。

弁護士と弁理士の違い

弁理士は商標(商品・サービス名・ロゴ等)や意匠(発明・考案・デザイン等)に関する権利を、会社や個人の代理人となって特許庁へ申請するのが主な業務となります。名前からも勘違いされがちですが、法的な争いにおける示談交渉や訴訟を行うのが弁護士であり、弁理士が相手方との争いに干渉するケースは稀です。そのため、特許に関して相手方と争いになった場合、弁理士は特許侵害や特許無効確認といった訴訟手続きを実施することができません。ただ、審判の請求や審決取消訴訟など、弁理士が部分的に対応できる訴訟業務もあります。

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