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推し活に役立つ10の法律知識

推し活に役立つ10の法律知識

「推し活(おしかつ)」は、アイドルや俳優、アーティスト、キャラクターなどを積極的に応援・支持する活動のことを指します。

推し活の具体的な例としては、ライブやコンサートに行ったり、グッズを買ったり、SNSで推しについて発信したり、関連イベントに参加したりすることが挙げられます。
また、友達やファン同士で推しについて語り合うことも推し活の一環です。

推し活は個人の楽しみとしてだけでなく、ファンコミュニティの中で交流する手段としても人気があります。

今回はそんな推し活をするうえで役に立つ10の法律知識をご紹介します!

1. 著作権法 〜推しの魅力をシェアする時の注意〜

推しのカッコいい画像や素敵な動画、みんなに見せたいですよね!
でも、ここで知っておきたいのが「著作権法」。推しが所属する事務所やレーベルは、その作品や映像に対して著作権を持っていることがあります。
無許可でSNSに投稿したり、勝手に二次創作を公開すると著作権侵害に問われる可能性があるんです!推しを守るためにも、公式からのガイドラインを確認して、法律に沿って応援を楽しみましょう。

2. 商標法 〜推しグッズ制作の落とし穴〜

ファンとして自作グッズを作りたい気持ちはすごく分かります!
ただ、推しの名前やロゴは「商標法」で保護されていることが多いんです。勝手にグッズを作って販売すると、商標権の侵害になることがあります。
例えば、公式グッズに似た商品を作ったり、推しの名前を無断で使用することは要注意!もし商標権を侵害してしまうと、最悪の場合、法的措置を取られる可能性も…。
推しへの愛は大切に、公式を尊重して応援しましょう!

3. 肖像権 〜推しとの距離を守るために〜

ライブやイベントで推しの写真を撮るとき、ちょっと待って!
「肖像権」という概念を覚えておきましょう。推しが許可していない場所での撮影や、プライベートな時間の無断撮影は、肖像権の侵害になることがあります。
推しのプライバシーも大事にすることで、応援するファンとしてのマナーを守ることができますよ。ルールを守ることが、推しとの信頼を築く第一歩です。

4. 転売禁止法 〜チケットの正しい手に入れ方〜

推しのライブやイベントに行きたい気持ち、わかります!
でも、転売サイトからチケットを買ったり、チケットを定価で超えるを価額で転売すると「転売禁止法」(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)に引っかかるかもしれません。
特に最近では、チケットの不正転売が厳しく取り締まられています。正規ルートで手に入れることが、推しを応援するファンとしての基本です。安心してイベントを楽しむためにも、転売には気をつけましょう。

5. 誹謗中傷 〜SNSでの発言は慎重に〜

SNSで推しに対する熱い想いを語るのは楽しいですが、他のファンや関係者について書くときは注意が必要です。
「誹謗中傷」に該当する投稿は名誉棄損罪に該当する場合があるなど、法的に問題になる可能性があります。
他人を傷つけることなく、みんなで楽しく推し活を続けられるよう、ポジティブなコミュニケーションを心がけましょう。
推しのために、SNSでも温かい心で!

6. 契約の重要性 〜ファンクラブ加入や解約のポイント〜

ファンクラブに入るのは推し活の醍醐味ですが、ファンクラブへの加入は契約行為にあたります。
契約時の条件や解約時のルールをしっかり確認しておかないと、後々トラブルになることもあります。特に「解約できない」などの問題に直面しないためにも、事前に契約内容やファンクラブの規約等をしっかりチェックしましょう。
安心して推し活を楽しむための準備、大事です!

7. インターネットオークションでの詐欺 〜真実を伝える取引を〜

推し関連のレアアイテムを手に入れたい、または売りたい時、オークションを使うこともあるでしょう。
しかし、ここで気をつけたいのは「詐欺罪」。
商品説明に嘘や誇張を入れ金銭を受領したり、購入後に品物を送らないなどしたりする行為は、法律で罰せられる可能性があります。
正直な取引で、ファン同士も推し活の場を安心して楽しめるようにしましょう。

8. クラウドファンディングの注意点 〜推しのプロジェクトを支援する際の法律知識〜

推しの新しいプロジェクトを支援するためにクラウドファンディングに参加することは素晴らしいことです。
がしかし、「特定商取引法」も絡んできます。リターンの未達成や資金の使い方が問題となることもあるので、プロジェクト内容をよく確認して支援することが大切です。
安全で健全な支援が、推しをより力強くサポートします!

9. 公共の秩序と条例 〜イベントでのマナーを守るために〜

大規模なイベントやコンサートでは、法的なマナーも守りたいもの。
道路や公園などでの無許可の集会や、大声で騒ぐ行為は、場合によっては、「軽犯罪法」や「迷惑防止条例」に違反する可能性があります。
みんなで推しを応援する場を守るために、イベントのルールや公共のマナーを大切にして、最高の時間を楽しみましょう!

10. 個人情報保護法プライバシー侵害 〜推しや他のファンのプライバシーを守ろう〜

推し活中に知り得た他のファンや関係者の個人情報、SNSでの会話やオフ会の写真など、知らないうちに他人の個人情報を扱うことがあります。
しかし、例えば、ファン同士で共有された連絡先を無許可で他の人に伝えたり、SNSで公開するのは、プライバシー侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償責任を負う可能性がある等、法的に問題になる可能性が!
推し活のコミュニティを大切にするためにも、プライバシーを守ることを心がけて、安心して活動しましょう。

さいごに

推し活は、心から推しを応援し、楽しむための大切な活動。
そのためにも、知っておくべき法律の知識を持っていれば、安心して全力で楽しめますよね。
推し活がもっと素敵な思い出になるよう、これらのポイントを押さえて、堂々と推しをサポートしましょう!

監修弁護士

香川 希理 弁護士

弁護士

香川総合法律事務所 代表弁護士。
明治大学法学部、立教大学大学院法務研究科卒業後、2010年弁護士登録(東京弁護士会)、2013年香川総合法律事務所設立。企業法務を専門とし、上場企業から中小企業まで多種多様な企業の顧問をしている。主な役職としては、東京弁護士会マンション管理法律研究部、公益財団法人澤田経営道場企業法務講師など。主な著書としては「悪質クレーマー・反社会的勢力対応実務マニュアル」(民事法研究会)、「マンション管理の法律実務」(学陽書房)、「中小企業のための改正民法の使い方」(秀和システム)など。

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