離婚を考えることは、これからを考えることである
こんにちは。弁護士の平岡将人です。
厚生労働省の統計によると、2019年度は、婚姻数が59万9007組だったそうです。その一方で、20万8496組の夫婦が離婚をしたとなっています。
離婚件数そのものは、2000年の26万4246件から緩やかに減少傾向にありますが、婚姻数に占める割合では、およそ同年の婚姻数の3分の1が離婚数であるという傾向におよそ20年間、変化はありません。
とても多くの方々が、「離婚という、新しい人生」を選択しているのが、我が国の現状といえます。
性格の不一致、DV、不倫、長年の不和など、夫婦が離婚に至る原因は、千差万別です。しかし、共通するのは、密接な関係ゆえの積もり積もった思い、裏切られた思い、つらかった過去の思いを、誰しもが強く感じるということです。
そういうわけですから、婚姻関係を清算するにあたって、「視点」が過去の思いを晴らしたいという方向に引っ張られてしまうのも、自然なことだと思います。
もちろん、過去のあれやこれやについて、法的に責任を取らせること(慰謝料という形で)はできるわけですが、このコラムでは、離婚とは新しい人生を考えることだ、との前提に立って、離婚後の人生について考えてみたいと思います。
さて、離婚をするということは、まずは別居し、家計を分けるということを意味します。人が生きるには、お金はどうしても必要です。なので、離婚を考えるなら、まずは離婚後の家計について、具体的に考えてみることをお勧めします。
まずは離婚後の収入について、考えてみましょう。離婚後の収入は、大きくわけて4つあります。
- 自分の給与
- 養育費…離婚した相手方からもらう子どもの費用
- 行政からの支援
- 資産
ですね。
詳細については、別のコラムに書いていきたいと思います。
収入を検討したら、次は当然支出についてです。
これは、現状にあわせて算出してみてください。
大前提として、子どもの親権はどちらにあると考えますか。
地代家賃を検討するにしても、子どもの学区を変更すべきかどうかなど、考えることはとても多いことに気付くと思います。
このように、これからの生活を具体的に考えることで、今自分がなすべきことが明確になるのではないでしょうか。
ある人にとっては、月額20万円の就職先を探すことかもしれません。
ある人にとっては、子どもの学費かもしれません。
またある人にとっては、実家に帰るために子どもと転校について話すことかもしれません。
あるいは、養育費の合意をしっかりすることかもしれません。
また、財産分与や慰謝料で、資産を勝ち取ることかもしれません。
次の一歩が既に決まっているため、何よりもスピードが大切かもしれません。
私は、今まで数多くの依頼者・相談者とこういったことを話した上で、法的手続きをしてきました。
もちろん、離婚を一時我慢して準備活動に入る方もいましたし、苦労を覚悟で、あるいは何らの憂いなく離婚に踏み切る方もいました。
離婚とは、新しい人生を考えることです。
もし、あなたが新しい人生を考え始めているとしたら、まずは弁護士と相談してみませんか?