弁護士保険コラム Column

【個人向け】ネット通販でのトラブル

【個人向け】ネット通販でのトラブル

とある相談者よりお寄せいただいたご質問について、その回答例をご紹介させていただきます。

質 問

インターネットでノートパソコンを注文し、代金を銀行に振り込みました。入金確認と納期を知らせるメールは届いたのですが、納期を過ぎても商品が届きません。会社に問い合わせると、いろいろ理由をつけてしばらく待って欲しいと言われます。2~3週間待ったのですが届きませんので、キャンセルし返金をしてもらいたいのですが、可能でしょうか。
 

回 答

まず、キャンセルの可否について検討しましょう。
この会社がインターネット上で、契約のキャンセルについて表示をしていた場合、その方法に従ってキャンセルすることが可能です。
 
しかし、契約のキャンセルについて表示がなかった場合は、やや問題となります。
会社がメールで知らせてきた納期を過ぎても商品が届いていない以上、会社はノートパソコンの引渡義務の履行を遅滞していることになります。
そして、会社が引渡義務を遅滞している場合、契約を解除することは可能ですが、法律上、「一定期間以内(この場合は、1週間から10日前後の猶予期間となります。)にノートパソコンを引渡しなさい。その期間内に引渡さない場合には、契約を解除します。」という内容の通知(通常は内容証明郵便)を会社に送付しなければ、契約を解除することができないとされています(民法第541条)。
 
ところで、最近、クーリングオフという言葉を耳にすると思います。クーリングオフは、「特定商取引に関する法律」で認められているもので、契約後の一定期間内であれば、消費者から無条件に契約の申込みの撤回、または契約の解除を認める制度です。
このクーリングオフ制度は、訪問販売や電話勧誘販売などには認められていますが、今回問題となっている通信販売には認められていません。したがって、クーリングオフ制度によるキャンセルはできません。
 
以上述べたとおり、通信販売の場合、契約をキャンセルする方法が定められていないと、通知といった煩わしい手続が必要になります。また、キャンセルをしたとしても、会社が任意に代金を返金しない場合、代金の返還を求めるため、裁判をしなければならないことになります。
通信販売を利用する場合には、キャンセルの制度が定められているかを確認すると同時に、代金後払いの業者を利用するほうが安全です。

               

この記事の監修または執筆弁護士

伊東 芳生

弁護士

不二綜合法律事務所代表弁護士。神奈川県厚木市出身。
・1993年中央大学法学部卒
・大学卒業後、図書館職員を経て1999年司法試験合格
・2001年10月弁護士登録(東京弁護士会)
・鈴木諭法律事務所に入所
・2009年9月 不二綜合法律事務所を開業
主に大手損害保険株式会社の医療問題やモラルハザードを中心とした交渉案件や訴訟案件を担当。一般財団法人日本損害保険協会そんぽADR手続実施(紛争解決)委員

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